手編みのセーターのお洗濯は難しい?!

手編みのセーターのお洗濯は難しい?!

手編み講師 棒針編み大好きなtomominです。
11月も半分以上過ぎたというのに暖かな日が続きますね。
この時期プラ衣装ケースから、去年洗って仕舞ったセーターを
1枚1枚引っ張り出しては着ています。
天然樟脳の匂いがツーンとしますが、自然のクスノキの香りなので
少し外に置いておけば、匂いは消えてしまいます。

心配だからセーターはクリーニングに出す?

手編みのセーターは、どうやて洗っていいか分からない…
伸びたり縮んだりしてしまわないか心配…とよく伺います。
手編みのセーターは是非お家で洗いましょう。
私は買ったセーターも含めて、ニットはほとんど家で手洗いします。
慣れてしまえば簡単です。
クリーニング店はいっぺんに沢山の洗濯ものを洗うので
混んでいる時期に、白い毛糸のものなどを出すのは
ずず黒くなった洗濯液の色でくすんでしまいそうで、逆に心配です。

お洗濯は天気予報をチェックして!

まずは天気予報で晴れが続きそうな日を選んでください。
セーターは陰干しや、室内干しをしますが、
なかなか渇き難い為、湿気が多い日や、お天気が悪い日はなかなか乾きません。
乾くのが遅くなるほど、匂いが出やすくなります。

もし食べこぼしや泥汚れなど、特に汚れてしまっている部分があったら
全体を洗う前に輪ゴムか何かで目印をつけてわかるようにしておきます。

洗剤は何がいいの?

使用する洗剤ですが、羊毛はアルカリに弱いため
ウール専用のおしゃれ着洗いや、モノゲン等、中性洗剤を使います。
表記してある分量の洗剤を計量して、30℃程度のぬるま湯に溶かします。
その中に手編みのセーターをそっと浸けます。
全体にお湯が浸みたら、部分的に汚れてしまっている所を優しくつまみ洗いします。
強く擦るとそこだけ毛羽だってしまったり、フェルト化してしまうので気をつけましょう。

縮んだら大変!

部分洗いが終わったら、全体を軽く押し洗いします。
これも優しくお湯を編み目の間に押し出す感じで。
羊毛の表面を顕微鏡で拡大してみると、「スケール」といううろこ状になっています。
人間の髪の毛のキューティクルのようなものです。
その為、強く揉んだりするとスケール同士が絡まり合って縮んでしまいます。
急激なお湯の温度変化も縮む原因となります。
(羊毛の絡まり合う性質を利用しているのがフェルトです)
手洗いから、すすぎまで お湯の温度は一定に保ちましょう。

伸びても大変!

それとは逆に編み目の大きなローゲージニットや手が緩い手編みのセーターは
濡れた状態ではとても伸びやすいので注意が必要です。
誤って洗濯機で洗ってしまうとズルズルに伸びてしまうので気を付けましょう。



脱水時間はどの位?

手早く優しく押し洗いが終わったら、洗濯ネットに入れて
洗濯機で軽く脱水します。
だいたい30秒位回して止めます。
洗濯ネットごとそっと洗濯機から取り出して、
洗ったときと同じぬるま湯を入れ、その中に洗濯ネットごとセーターを浸けます。
全体にお湯がいきわたるように軽く押し洗いしたらまた脱水して30秒ほど絞ります。
まだ洗濯液が残っている感じでしたら、
再度ぬるま湯に浸けて押し洗い、軽く脱水します。

どうやって干せば良いでしょう?

脱水が終わったら、そっと取り出し(赤子を抱くように)ネットから取り出して、
平干し用の洗濯干しに形を整えて干します。
直射日光に当たらないように、陰干しか室内干しにします。
この形を整えるのがちょっと手間ですが、丁寧に皺を伸ばして整えた分
仕上がりが格段にキレイになります。
自分で時間を掛けて編んだセーターですから、
お洗濯のときも自然と大切に扱ってあげたくなります。

ラノリンは大切

最後に手編みのセーターはあまり洗いすぎないように注意しましょう。
直接肌に付く部分は少ないですし、洗いすぎることで
羊毛に含まれるラノリンという貴重な脂が落ちてしまうと
パサパサになってしまいます。
日本人は清潔好きですので、ついついすぐ洗濯したくなってしまいますが
寒い地方、羊毛のセーターの本場でアウターに着るようなセーターは
油分が固まることで、風ヌケが少なくなり極寒の地で体温を逃さず体を守ります。
セーターを洗った後に油分を足す場合もあるそうです。

最後に

シーズンの終わりには必ずお洗濯をして清潔にしてから、
天然樟脳などの防虫剤を入れて、畳んで保管しましょう。
防虫剤を入れるのをうっかり忘れると、虫が食べてしまいます。
来年着ようと思ったらお気に入りの手編みのセーターに穴が…という
悲しいことにならないようにしたいですね。
またハンガーに吊るしたまま保存すると伸びてしまいます。
手編みのセーターは、編むのはもちろん、お洗濯から保管まで、心を込めて長く身に着けたいですね。

今日も最後までお読みいただきありがとうございます。
よい一日を。
れっつ えんじょい にってぃんぐ!

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