棒針編みのフランス式とアメリカ式って?

棒針編みのフランス式とアメリカ式って?

手編み講師 棒針編み大好きなtomominです。
最近なんだか気ばかり焦って、バタバタです。
もう師走の気分。
暖かい飲み物でもいれて、少しだけ毛糸を編んでホッと一息くつろぎタイムを…
と思うとやめられなくなるから危険危険^^;

フランス式とアメリカ式とは

棒針編みをする人にはフランス式とアメリカ式があります。
なに?それ?ですが
これは編むときに糸を左右どちらの指に掛けるかの違いです。

フランス式

糸を左手の人差し指に掛けて編みます。
フランス式のことをコンチネンタル(=大陸)
またはジャーマンとも呼ぶそうです。
フランス式はヨーロッパ大陸、特にドイツで多く使われていました。
そしてアメリカへの移住によってアメリカへ普及しましたが、
第二次世界大戦時にドイツとの関係悪化により好まれなくなったと云われています。

アメリカ式

糸を右手で糸を針に掛けて編む方法のことで
別名イギリス式とも言います。
編込み模様で有名なフェアアイルニットを現地の方が編んでいるTVを見たら
みなさん糸を右手に掛けて編んでいたのが印象的でした。
アメリカへは英国からの移民によって持ち込まれ
フランス式が減ったのと同じ歴史背景が原因で主流になったといわれています。

日本で多いのは?

日本のニッターの間での比率はどの位でしょうか。
私の回りではフランス式4:アメリカ式1 くらいの割合に感じます。
圧倒的にフランス式が多い印象です。
アメリカ式の方はお母さまから習ったというケースが多く
もしかしたら昔はアメリカ式の割合が今より多かったのかもしれませんね。
最近は人気作家の三國万里子さんの影響などもあって
若い方で編み物を始める人の中にアメリカ式が静かなブーム?と感じることも。

フランス式とアメリカ式どちらで編めばいいの?

どちらの編み方が良い悪いではなく、
編みあがった編み地を見てもどちらの方式で編んだかはわかりません。
きれいに編めればどちらでもOKです。
一般的によく言われているのが
フランス式の方がアメリカ式よりも早く編める ということ。
これは主に右手の作業が多いアメリカ式よりも
フランス式の方が左右両手を動かす共同作業になる為だと思います。




フランス式の方が編み目がふんわり仕上がる。
逆にきちっと編みたい場合はアメリカ式の方が目を詰めて編みやすいとも聞きます。
ちょっとマニアックなお話しになりますが、
フランス式がふんわり=目が緩め
アメリカ式がきっちり=目が硬め になる理由として
毛糸の撚りが関係しているものと思われます。

S撚りとZ撚りのお話し

話は飛びますが
棒針編みに使う毛糸は例えば双糸の場合
それぞれの単糸はZ撚りで、2本合わせてS撚りになっています。
(S撚りとは上から見ると時計回り方向に回転しています)
棒針編みに使う毛糸はこのS撚りが多いのです。
(かぎ針編み用の糸にはZ撚りもあります)
フランス式で糸を左の人差し指に構えて右の棒針ですくうと
もともとの毛糸の撚り(S撚り)がそのままなのに対し
アメリカ式で右手で針に糸を掛けると
若干ですが、毛糸の撚り(S撚り)をさらに掛ける方向(=追撚する)に回転するのです。
糸をどちらの指に掛けて編むかによって生じる
この一目一目の小さな撚り加減の違いが、作品が仕上がったときの
風合いに影響してくると考えられるのです。

私はフランス式なので、アメリカ式に憧れがありますね~
逆にアメリカに行くと、少数派のフランス式への憧憬があるとか。
隣の芝は青く見える?!ってことかなと。

今日も最後までお読みいただきありがとうございます。
素敵な一日を。
れっつ えんじょい にってぃんぐ!

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